食品専門誌、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイトなどから集めた、食品の安心安全に関する情報をご紹介します。
朝日新聞 2007.10.18掲載「食の安心は? 偽装-3」より引用
ウソ表示の処分JAS法に限界
今年8月、関東農政局の職員が東京都内の米穀販売店を立ち入り検査した。
「新潟県(魚沼)産コシヒカリ」と表示する米袋に「ひとめほれ」など他品種を混ぜて販売していたことを突き止めた。
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日本農林規格(JAS)法に基づく不正表示が指摘されたのは昨年6月に続き2回目。農水省は同法に基づいて表示を改善するよう命令した。
だが、店の経営者は「悪いコメを混ぜたわけじゃない。お客さんもおいしいと喜んでくれている」と反省の色は薄い。
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コメの品種の表示偽装は減る気配がない。農水省は毎秋、全国の小売店からブランド米を買い上げて品種などを調べている。
DNA鑑定で他品種混入の疑いがあったのは06年産は364点のうち26点。05年産は610点中110点、04年産は647点中60点だった。
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だが、これまで同法違反で罰則を科せられた例はない。違反行為には表示改善を求める「指示」が出され、従わなければ「命令」、さらに「告発」へと3段階ある。
大阪府警が今年5月、米穀卸会杜「日本ライス」を摘発した際は、違反行為に直接罰則を科すことができる不正競争防止法を適用した。
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「食品のうそと真正評価」の著書がある技術士藤田哲さんは「農水省は産業保護の姿勢から抜け切れていない。
JAS法による処分も欧米に比べるとはるかに軽く、表示のうっかりミスと意図的で悪意のある偽装を同列に扱っている。
悪質な業者を野放しにしないためには、JAS法の仕組みを見直す時期に来ているのではないか」と話す。(上田学)
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