食品専門誌、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイトなどから集めた、食品の安心安全に関する情報をご紹介します。
朝日新聞 2007.10.31掲載「食の安心は? 残留農薬-5」より引用
見直し進まぬ家畜用抗生物質
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)といった抗生物質が効かない耐性菌は、院内感染で死者が出るなど、医療現揚で大きな問題となっている。
抗生物質は家畜にも薬や飼料添加物として使われており、国内の使用量は約1290トン。人用の2.5倍だ。
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家畜への抗生物質使用で耐性菌が増え、食物などを経由して人にも伝わって健康を冒す危険性が指摘されている。
00年、世界保健機関(WHO)は食用動物への抗生物質の使用を慎重にするよう勧告を出した。
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自主的に使用を抑える取り組みもある。
岩手県の大手養鶏業者、十文字チキンカンパニーは、主に首都圏へ向け年間4200万羽出荷しているが、病気予防のためのワクチン以外の抗生物質は使っていない。
「抗生物質を使わない分、衛生管理には非常に気を使っている」と担当者。鶏舎の洗浄を徹底し、貯水槽や飲み水のパイプも清掃する。
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農林水産省も見直しを進める。03年に延べ60あまりの抗生物質について耐性菌発生による健康影響評価を食品安全委員会に求めた。
だが今までに結論が出たのは「影響なし」としたモネンシンナトリウムだけ。
「りスク評価に必要なヂータが、なかなかそろわない」と、同委員会の「薬剤耐性菌に関するワーキンググループ」の唐木英明座長。
「この分野のリスク評価は世界的にも始まったぱかりの状況だ」と話している。(大村美香)
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