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フォーブス2007.11月号掲載「ニッポンの食を救え!」より引用
3 偽装疑惑後、名古屋コーチン生産者の対応
杉本氏は苦い表情で語る。
「大変なショックでした。ささみは売れない部位で、わざわざ他の鶏を買って偽装するのは不自然すぎるからです」
名古屋コーチンは、比内鶏など他の地鶏と異なり、純血種が保たれてきた。
その種鶏は愛知県畜産総合センターが供給し、県が指定する孵化場でヒヨコを生産し、生産農家が飼育、出荷している。
しかも名古屋市南部食鶏加工協同組合は、生産者団体で唯一、生産者やヒヨコの入荷日、飼料やワクチンの履歴、消費期限がわかるトレーサビリティ(生産履歴の遣跡)システムの構築に取り組んでいる。
店頭でも携帯電話で確認できるよう、商標登録する「純系名古屋コーチン」の商品にトレーサピリティ用のコード付きシールを添付している。
「生産から処理の段階で偽装される余地はありません。あるとすれば、鶏肉を解体後、意図的に他の鶏肉を混ぜるなどが考えられる。ただし、一部で報道されているような交雑種を育てる偽装というのは、難しいでしょう。5代、6代と掛け合わせないと種として安定せず、不ぞろいな品質では採算が合わないからです」(杉本氏)
名古屋コーチンは同組合ほか限られた生産者しか扱っていないため、今回の騒動でも、出荷減などの実害は少なかった。
だが、プランド価値を守るため、同組合は、艦合加盟の中から生肉など45検体のDNA鑑定を外部機関に依頼した。
「公正を期すため、検体の選定から鑑定まで公証人を立て、技術として確立している従来の鑑定手法を採用しました。その結果、11月初めにはすべての検体が“白”ということがわかりました」(杉本氏)
[産地偽装] 1 はじめに(もくじ) → 2 偽装が表面化 → 3 生産者の対応 → 4 トレーサビリティの強化
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