食品専門誌、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイトなどから集めた、食品の安心安全に関する情報をご紹介します。
朝日新聞 2007.10.9掲載「食の安心は?BSE-2」より引用
輸出入規制、緩和進める欧州
延べ約18万頭の牛海綿状脳症(BSE)の感染牛が確認されている英国。
欧州連合(EU)は昨年、BSE対策が効果を上げたとして、10年ぶりに英国産牛肉の禁輸措置を解除した。
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英国が牛から人への感染を正式に認めた96年当時、牛肉を輸入してきた欧州各国はパニックに陥り、ただちに門戸を閉ざした。
しかし、「輸入再開への異論は市民から聞こえてこない」と、農畜産業振興機構(東京)のベルギー・ブリュッセル事務所首席駐在員、和田剛さん(37)は話す。
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ただ、BSEの発生が止まったわけではない。
昨年、発見された感染牛は英国で129頭、EU全体でも320頭に上る。それでも万単位だった90年代前半からは激減した。
全頭検査は30ヵ月以上を対象としているが、見つかった感染牛の月齢はそれをかなり上回るため、「検査で見落とし人に感染するようなことは、まずないだろうという安心感につながっているのでは」と和田さんは見る。
英国産の輸出入再開にとどまらず、EUは05年以降、BSEに対する規制を緩和してきた。
特定危険部位とされている背骨も24ヵ月以下の牛であれは問題ないとして、Tボーンステーキなども市民の口に入るようになった。
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これに対し、日本のBSE対策は世界一厳しいとされる。
除去する特定危険部位の範囲やBSE病原体の運び屋である肉骨粉の飼料への使用禁止、生産履歴の管理などのおかげで、感染の拡大を最小限に食い止めてきた。
その日本にも、緩和の波が迫りつつある。(森治文)
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