食品専門誌、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイトなどから集めた、食品の安心安全に関する情報をご紹介します。
朝日新聞 2007.10.8掲載「食の安心は?BSE-1」より引用
増える米産牛肉 根強い抵抗感
牛肉の陳列棚にぶら下がった札には「おいしい、安心」のうたい文旬とともに「アメリカンビーフ」の文字が躍る。
米国で03年12月に発生した牛海綿状脳症(BSE)による禁輸措置が解け、大手スーパー西友は今年3月から米国産牛肉を店頭に並べ始めた。
「安くて脂がのった米国産を食べたい」という消費者の要望が高まってきたと、畜産担当バイヤーの石見真さんは説明する。
6月にイトーヨーカ堂、ユニー、8月にダイエーと他の大手も続いた。輸入量は5月までは2,000トン前後だったが6月以降は急増、8月は約4,000トンに上った。
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米国産の輸入は、BSEの感染リスクが低い月齢20ヵ月以下の牛で、背骨や脳など特定危険部位の除去が条件だ。日本の港や空港では検疫官が抽出調査し、危険部位がないことを確認する。
しかし、05年暮れの輸入再開では1ヶ月後、背骨の混入が見つかり、輸入が半年間中断。米国の管理のずさんさを印象づけた。
このため、西友は販売再開にあたって取引先の食肉処理施設まで杜員を派遣、危険部位の除去に何重ものチェックを敷いていることを確認したという。
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だが、今春には別の業者の輸入肉の検疫で月齢不詳の内臓や舌が見つかった。消費者の米国産への抵抗感は根強い。
米国産の輸入量が増えたとはいえ、年間80万トンという国内需要から見れはわずか。輸入停止中に急速に伸びた豪州産とも約7倍の開きが生じている。
米国は今、日本に輸入条件の緩和を求めているが、不信感をぬぐえないままで、需要を掘り起こせるだろうか。(森治文)
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